こんにちは。 田園調布で、書道教室を主宰しております、佐藤清景(さとうせいけい)です。
先日、NHKのテレビ番組で、ひとつの場所に密着して72時間を切り取るドキュメントを見ておりました。その日は五反田にある「薬師寺東京別院」が舞台でした。
薬師寺東京別院では、朝から晩まで場所を開放されていて、毎日多くの方が般若心経の写経を行い、奉納されていらっしゃいます。番組に登場する様々な人生模様がとても興味深く、心に残りました。
ただひたすらに筆を走らせ、途中から集中して無になる。 そうすることで、さっきまで気になっていた悩みがふっと軽くなったり、別の視点から自分を見つめ直すきっかけを得たりしているようでした。
同じ日常を慈しむ。写経が教えてくれる「心を整える」時間
番組には、山手線の車掌さんもいらしていました。 「毎日毎日、同じことの繰り返しだから」とおっしゃっていたのが印象的です。
同じことの繰り返しに慣れてルーズになってはいけない、大勢の人命を預かっているのだから——と、自分自身に静かに言い聞かせていらっしゃるのかなと、私なりに想像しておりました。
お寺という日常とは少し違う特別な空間に身を置くことで、ご自身を集中させ、気持ちをまっさらにリセットされていらっしゃったのかもしれません。
数あるお経の中でも、般若心経は宗派や宗教を問わず、どなたでも唱えたり書いたりすることができます。決まったルールにとらわれず、もっと気軽に日常に取り入れてみてほしいなと思います。読んだり、唱えたり、時には音楽に乗せるように書いてみたり。
ただし、写経は決して「ご利益」を求めるためだけのものではないと私は感じています。

答えはすべて自分の中に。目の前のお手本と向き合うお稽古
今の自分に疑問があったり悩みがあったりして、誰にも相談できず苦しいとき。ひたすら自分自身と向き合うしかない瞬間が、人生にはあると思います。そんな心境のとき、写経は静かな手立てとなり、心を救ってくれるのではないでしょうか。
答えは、すべて自分の中にあります。
写経をしたからといって、目の前の問題が一瞬で解決するわけではないかもしれません。けれど、「何かを変えたい」「心を整えたい」と思って筆を執ること自体が、写経との素晴らしいご縁です。長くコツコツと続けて、もっと日常の身近な習慣にしていきたいですね。
当教室での写経は、なぞり書き(下書きを映す形)ではありません。 一行一行、隣にお手本を置いて、墨と筆を使って自分の線の力でひとつひとつ写し取っていきます。
自分と丁寧に向き合う時間を、当教室で始めてみませんか?

