こんにちは。
田園調布で書道教室をやっています、佐藤清景(さとうせいけい)です。
今でも強く心に残っている場面があります。
それは、俳優の藤原竜也さんが演出家の蜷川幸雄さんの告別式で述べられた弔辞での言葉です。
藤原さんが若い頃、俳優として必死にもがいている時に、蜷川さんはこう声をかけられたそうです。
「苦しめ、もっと苦しめ。苦しくて泥水に顔をつっこんで、もうどうしようもなくなった時、手を挙げろ。俺がその手を必ず引っ張ってやるから」
このお話を知った時、胸が熱くなりました。藤原さんはそこまで本気で導いてくれる恩師に出会えたのだなと、深く感動したのを覚えています。
どんな道を歩む人であっても、志を立てて懸命に努力を続けていれば、必ず人生を支えてくれるような素晴らしい出会いがあるのだと感じます。
目移りしそうな時に、本来の道を照らしてくれる存在
私が歩んでいる書道の世界でも、日々の暮らしの中で悩むことがあったり、世の中の流行に流されそうになったりして、ついつい楽な道へ逸れそうになることがあります。
ですが、そんな時に私の師匠は、いつも私が本来目指すべき「王道」をそっと照らしてくださるのです。
「王羲之(おうぎし)を、もう一度きちんと臨書しなさい。どれだけ真似して書いても、君など到底及ばないのだから、ひたすら臨書しなさい」
「ひたすらに真似て、真似て……それでも絶対に消せない『個』があって、そこから表現しなさい」
このお言葉には、ただただ平伏するばかりです。
自分らしい書を表現したくて、目新しい流行に飛びつきたくなったり、目立つように派手な書き方をしたくなったりすることもあります。
そんな時も師匠は「やり過ぎるくらいなら、やらない方がいい。下品になってしまうよ」と、優しくも鋭く戒めてくださいます。
世の中には色々な書道がありますから、「基本なんていらない」という考え方もありますし、表現は自由です。ですが、私はいつだって書聖(王羲之)を敬い、自分自身を律し続ける師匠の姿勢が心から好きですし、心底尊敬しています。
偶然ではない出会いに感謝して、今日も筆を執る
いつか師匠の前に自分の作品をずらりと並べて、「佐藤さん、上手くなったね」と言っていただけたらどんなに嬉しいだろう……そんな未来を夢見ています。
この世に出会いの偶然はないと言われますが、この師匠のもとで書を学べる奇跡には、感謝の言葉しかありません。
さあ、気持ちを新たに今日も書くことにいたします。当教室でも、基本を大切にしながら一人ひとりの個性や「書きたい」気持ちに寄り添ったお稽古を行っております。大人の方も初心者の方も、手ぶらで気軽にご参加いただける体験DAYも開催していますので、どうぞいつでも遊びにいらしてくださいね。


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